なんらかの病気になったときには、医療が必要です。それだけではなくて、病気を予防したり早期に発見するためにも医療はお役に立ちます。
学校に通っている間は、ほとんどの皆さんが毎年の健康診断をうけておられたと思います。成人して、まして中高年になって逆に健康診断をうけなくなっているとしたら… よいことだとは思いません。
1年に1回、胸のレントゲンや血液検査などを含む健康診断をうけられることをお勧めします。そうすれば、健康な方は自分の心身に自信がもてますし、なんらかの問題がある方は早期に適切なアドバイスや治療がうけられます。
働いている方は、事業所において健康診断をうけておられるはずです。(定期健康診断の項目も含めて、このことは法律で定められています。)
特に、常時50人以上の労働者がおられる事業所では、産業医とも契約して働く人の健康管理をやっておられると思います。(産業医が何をするのかも含めて、このことも法律で定められています。ちなみに、産業医とは、労働者が健康で快適な作業環境で仕事できるように、専門的立場から指導・助言を行う医師で、厚生労働省令で定める一定の要件を備えた医師です。)
さてそうすると、小さい規模の職場で働く方の健康管理がおろそかになったり、専業主婦や定年後の方の健康診断がされていなかったりします。心配です。
どこの医療機関(保健所)を利用されるかは別として、ぜひ定期的に健康診断をうけてください。
私は、長い間、陸上自衛隊の医官として勤務してきました。自衛隊医官は、普通の臨床医であることも求められますが、産業医と同じように勤務環境を管理したり、あるいは心身の異常を認めた隊員の休養や職場復帰プログラムを決めたりもします。
東京都医師会は、産業医の育成に熱心に取り組んでおられて、頻繁に講習会を実施されています。私は、一般の会社でどんな健康管理が行われているのかに興味があり、自衛隊医官時代の休日を利用して講習会に参加して、日本医師会認定産業医の資格を取得していました。オフィスの椅子やパソコンの置き方ひとつにまでコツがあることなどを学んだ講習会の経験は貴重でした。
今はクリニック(診療所)の医師ですが、産業医としての知識や資格も活用して、皆さんが働いたり生活したりする環境まで考えての健康診断ができれば光栄です。たまたま心身の調子をくずしてしまった方の(あるいは上司の方の)、「どんなふうに仕事をやっていけばいいのかな?」というご相談にもお答えします。もちろん、法令で定める定期健康診断の項目は、私たちのクリニックで全部対応できますので、ご安心下さい。(当院のデジタル レントゲン検査については、また改めてお話します。)