エミング千駄木クリニックは、インフルエンザワクチン予防接種の受付を開始しました。実際の接種は10月15日から始めますが、それに先だってワクチンの特徴をお話しします。
しばらく「ガンの話題」にしようと思っていたブログですが、やはり時候の話題をはずすわけにはいきません。「次は、何のガンだろう?」と期待していただいていた方には、ご容赦ください。
インフルエンザワクチンは、鶏卵を使用して作ります。そのため、「卵アレルギー」の人は接種を受けることができません。
逆に、卵アレルギーのない人は積極的に接種を受けて、自分がインフルエンザにかからないだけではなくて、特に人口密集都市での「人から人への感染流行の一翼をになわない」ことをお勧めします。
では、いつごろ打つのがいいのでしょうか?
結論のためには、それぞれの方の生活習慣や人生観も考慮しないといけません。まずは、単純に医学的な話をします。
それに先だって、小児期は原則として1シーズンに2回接種ですが、「1回接種でいい」とされている成人を対象に話を進めます。
一番の問題は、「ワクチンの効果が、どれだけ続くか?」です。毎シーズン接種することからわかるように、インフルエンザワクチンは「1回打てば一生免疫が続くものではありません」。というより、「1シーズン続く」ことも保証できません。
インフルエンザワクチンの効果持続期間については、接種後2週間ぐらいから始まって「約5ヶ月持続する」(厚生労働省のインフルエンザ予防接種ガイド)という説があれば、「3ヶ月程度」との国立感染症研究所の見解もあります。
http://www.nih.go.jp/niid/topics/influenza01.html
2年あまり前には、春のゴールデンウイークをすぎても豚由来インフルエンザ(新型シンフルエンザ)が流行していました。5ヶ月持続してくれるものであれば、今年中に接種した免疫も春まで有効ですが、3ヶ月説ではそうもいきません。
では、実際にはどうでしょうか?
臨床の実際としては、この中間よりは長めの持続期間があると感じています。
そもそもインフルエンザは、ふつうは、寒くなって「吐く息が白く感じられる頃」にはやり始めます。これは、寒くなるとともに空気が乾燥しますが、インフルエンザウイルスは乾燥に強くて生き残り、寒くて窓を閉めた生活の中で感染を拡大するからです。
だいたいは手や顔に付着したウイルスが口(眼)から体内に入って感染しますので、生活での予防は、頻繁に手を洗うことと、うがいです。たとえば「外から帰ったら顔まで洗って」いただけると、なおいいことです。
それでも生活習慣では予防しきれないのでワクチンをお勧めしますが、...
師走の声を聞く頃には免疫を持っていてほしいと思います。そのためには、11月初旬~中旬の接種はいかがでしょうか?これだと、「春のお彼岸頃まで効果が持続」しそうです。
と申し上げますが、その前に感染されて「どうしてくれるんだ!」と叱られても困ってしまいます。
やはり、一度感染したらたいへんなんことになる、たとえば持病をお持ちの高齢者の方は早めの接種をお勧めします。医療機関勤務者も、自分が感染拡大の一端になるわけにはいかず早めに打つでしょう。そんな人は、年が明けてしばらくしてもインフルエンザが流行していた場合は2回目を接種することです。
基礎体力のある人が1シーズンに2回打つリスクを避けるとしたら、手洗いを励行して、万一早期に感染したら抗インフルエンザ薬(今は、インフルエンザの特効薬があります)を使用するつもりで、やはり11月の接種がいいのかもしれません。
このあたりが、「それぞれの方の生活習慣や人生観も考慮」と最初に申し上げた理由です。
エミング千駄木クリニックでは、「1ヶ月くらい先にインフルエンザワクチンを打ちたいんだけど」といったご予約も受け付けております。詳しい接種日は時期が近づいたら調整するという手順です。
早めに接種したい方には、それぞれのご希望に応じたご予約を承ります。
よろしくければ、一度お電話ください。
電話番号は、ページ上のタイトル部にも書いております。