タイトルは、医療の世界で言われる格言のようなものです。
後から患者さんを拝見する医者は、前の医者でのことを患者さんから教えてもらえるので、大概は「より良い医療」ができます。
自分自身では、この言葉を念頭に、決して前医の悪口は言わぬようにしています。
日暮里富士見坂を通ってクリニックに来ることが多くなりました。今朝も、きれいな空気の向こうに、アイスクリームのような富士山がくっきりと見えました。でも、先週末の土曜日は坂の下の方が凍結していて転びそうになりました。右足首が、まだ少し痛みます。
痛みにもいろいろな種類があります。骨や筋肉から来るものもあれば、内臓が痛んだり、あるいは頭痛にもいろんな種類があります。
整形外科でよく使われる痛みをやわらげる薬があります。名前は秘します。ここのところ、その薬の副作用で歩けなくなった患者さんに続けてお会いしています。前の医者には何かしらのお考えがあっての処方と思っていますが、私はその薬だけは使いません。インターネットの医師サイトでも評判の極めて悪い薬なのですが、なぜだか多くの場面で処方されているようです。
この場合は、「このお薬を飲むのをやめてください」ときっぱり申し上げます。
そんな場合でなければ、前医の医療に大きな疑問があっても、つとめて婉曲に否定します。これは、なかなかのストレスです。
「医者から怒鳴られた」とか「もう1回血圧を測ってくださいって言ったら断られた」とか、患者さんが教えてくれます。なかなか信じられない内容だったりします。
患者さんの不満の部分に同調できるので、そこは相槌を打ちながら、でも、「それぞれ、お考えのあってのことでしょうから」ぐらいの表現にとどめて、自分のクリニックでは最善を尽くすようにしています。
谷根千は保守的な方が多くて、私に不満をぶつけてから、前の診療所にも顔を出して義理を果たされる方もおられます。それが、その患者さんにとって幸福なこととは考えられず、はっきりと「おかしいところは、おかしい」と断言するべきだったかな?と考えてしまい、それがまたストレスになったりします。
でも、やっぱり後医は前医の悪口は言ってはいけないと信じています。
何か気になることがあったら、お気軽にご相談ください。
セカンドオピニオンも提供します。
無理やり引き止めることもしません。それどころか、納得していただかない医療はしません。
いろんな方とお話しできれば光栄です。