高血圧は「サイレント・キラー(静かな殺し屋)」と言われます。自覚症状がないままに動脈硬化が進み、致死的な症状が出て初めて気づいたりするからです。
血圧の高い方には、それぞれの方の生活等にも配慮して、なんとか下げる努力をします。
降圧剤を内服していただく場合は、それぞれの方の症状や状態に合わせて薬を選びます。最近はARBと呼ばれる薬を第一選択とすることが多くなりました。確実な効果が期待でき、副作用も少ないことがあります。心臓以外の臓器を守る効果もあると言われてきました。問題があるとしたら、新しい薬なので、価格が高めというところでしょうか?
ARBの一つであるディオバンという薬で、各種の研究データに改ざんがあることがわかりました。改ざんには、製薬会社の社員が深くかかわっているとも言われています。困ったことです。
先日は、その会社が新聞広告を出していました。私は、それを見て激怒し、いまだに怒りが収まりません。
広告では、ディオバンのシートに書かれた製品番号が示されて、該当する薬を内服されていて心配事があれば「お電話ください」という内容でした。
高血圧の治療では、複数の種類の降圧剤を使用することがあります。
最近は「配合剤」というものがあり、1錠の中に2つの降圧薬を含んでいるものがあります。
ディオバンと別の降圧剤を組み合わせた内服薬に、エックスフォージという薬があります。
上述の新聞広告では、このエックスフォージの製品番号が書かれていませんでした。「それで、いいのか?」激怒した次第です。
つまり、おもてにディオバンという名前がなければ、内服している人は気にすることもないだろうという会社の判断でしょう。中には、「この薬にはディオバンと何々が入っています」と説明している医者もいるでしょうけれど...